医師による舌痛症解説

舌はなぜ痛い?〜舌痛症の痛み〜中枢感作・下行性疼痛抑制系について医師が解説

舌痛症で舌が痛いのはなぜ?

舌痛症では、舌が痛くなるような器質的疾患がないにも関わらず、舌が痛いと感じてしまいます。
なぜ舌は痛くないはずなのに痛いのでしょう?
ここでは、中枢感作と下行性疼痛抑制系の観点から、「舌がなぜ痛いのか?」について解説していきます。

痛みの増幅装置・痛みの減弱装置~舌痛症の舌の痛み~

人間が感じる痛みには、
中枢感作:「痛みの増幅装置」
下行性疼痛抑制系:「痛みの減弱装置」
が備わっています。

舌痛症では、
「痛みの増幅装置が押しっぱなし」
「痛みの減弱装置が作動してない」
という現象が起こっています。

「中枢感作=痛みの増幅装置」ですが、本来人間の体には必要な仕組みです。例えば、熱いコーヒーで火傷を負った時、直ちに飲むことをやめないと大火傷を負う危険性があります。大火傷を防ぐには一刻を争うため、コーヒーが熱すぎると感じた瞬間に、火傷の痛みを増幅させて「莫大な痛み到来!」と身体に知らせて、コーヒーを飲み続けることを強制停止させます。

一方、「下行性疼痛抑制系=痛みの減弱装置」では、しつこく続く強い痛みに対し、「このまま痛い!痛い!と感じていたら、心身共にもたないので、痛みを弱めとこう」という、身体に本来備わった機能です。この「痛みを弱めとこう」という、『痛みの減弱装置』が十分作動していないのが舌痛症なので、痛みを強く感じてしまうこととなります。しかし、安心してください。

舌痛症は改善できる可能性があります

安心してください。

この「痛みの増幅装置」「痛みの減弱装置」を、薬によって是正するアプローチは存在します。だから、良くなることを諦めないでください。この誤作動は、治療すればきっと改善が期待できます。

医師・小林由希 執筆
所属学会:日本疼痛学会

小林由希

小林由希

小林オーラルクリニック舌痛症担当医師。愛媛大学医学部医学科卒業。大阪府立天王寺高等学校理数科卒業。

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